仕事が一段落して、久しぶりに連休をもらった。 ここ一ヶ月ほど、ずっとビルの建設現場で仕事をしていて、真新しい床にワックスを塗ったり、外壁を洗ったりしたりしていたの暗瘡啫喱だけれど、そのビルが先日やっと落成したのだ。

ゆっくり寝て、午後に起きて、オダユウジの出ているドラマの再放送を見て、何となく外に出かけようと思って、近所のドトールコーヒーに行った。 カポーティの『遠い声、遠い部屋』を持って。
でもいざ席に座って、タバコとコーヒーを片手に本を読もうとしても、なかなか集中できない。 5ページほど読んで、諦めて本を伏せた。
窓の外は、いつもどおりの夕方6時の風景。 買い物帰りの人々。 家路につく人々。 そして傘を差さなくても済むくらいの雨。
何だか、休みの日は、いつも雨が降っている気がする。 気にし過ぎだろうか?
ぼんやりと窓の外を眺めながら、今年の夏は短かったなぁと思う。 もう秋なのだ。 日常に流されてしまった自分を反省する。

温かいままのコーヒーを一口分残して席を立つ。 店を出ると、やっぱりまだ微かに雨が降っている。
灰色の空を見上げて、僕の額を中心に放射状に落ちてくる雨粒を見る。 黙々と歩く。

何かに、せかされているような気がする。